2.STDの種類 |
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2−5.寄生虫感染
▼疥癬(かいせん) ▼ケジラミ ▼いんきんたむし |
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■疥癬(かいせん) |
病原体 |
ヒゼンダニ(疥癬虫) |
感染経路 |
患者との密接な接触、寝具や衣類の共用、不潔な性行為など |
症状 |
潜伏期は約1ヵ月程度。
激しい痒みを伴う赤いブツブツした丘疹が全身に見られ、これは夜中に強くなる。
指の間、外陰部、各関節窩に好んで寄生し、水疱や膿疱、疥癬隧道(5〜10ミリのS字状に曲がった線条隆起。中には卵と糞がある。)を生じる。
ダニの増殖と共に、赤い斑点は全身に広がっていく。 |
治療 |
軟膏と治療用入浴剤の使用で1ヶ月ぐらい。
疥癬があるときは寝具や下着の共用を避け、洗濯や熱湯消毒を毎日行うこと。 |
備考 |
ヒセンダニは皮膚の柔らかい部分(指の間、わきの下、陰部など)に寄生する。
ダニの体長は0.2ミリぐらいで肉眼では見えない。 |
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■ケジラミ(ケジラミ刺咬症) |
病原体 |
ケジラミ |
感染経路 |
患者との密接な接触、寝具や衣類の共用、不潔な性行為など |
症状 |
下腹部、外陰部など陰毛の生えた部分の陰部のかゆみを生じる。
激しいかゆみであるため、ときに掻破湿疹からリンパ節腫脹を来たすこともある。
ケジラミの排出物が茶色のシミとして下着に付着することから、気付くことも。
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治療 |
陰部を剃毛し、清潔にした上で、オイラックスを擦り込む。
陰毛を剃らずに治療することも出来るが、若干期間が長くなる。
殺虫剤としては、スミスリンを用いるが、卵には効かないので、孵化時期を想定し、1週間程度の間隔を空けて、数回外用する必要がある。
※「スミスリンシャンプー」は薬局でも購入可能です。パウダータイプとシャンプータイプがあります。 |
備考 |
ケジラミはシラミの一種で、灰白色〜褐色の成虫は肉眼で確認できる。
活動性に乏しく、毛に付着したままで、同一場所から長時間継続して吸血する。
主な寄生部位 は陰毛、腋毛、その他の体毛であるが、体毛のない小児では睫毛、眉毛に寄生することがある。 |
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■いんきんたむし |
別名 |
白癬(はくせん)、股部白癬 |
病原体 |
糸状菌 |
感染経路 |
皮膚接触、ペット・不潔な寝具からの感染
汗による皮膚の損傷(むれるとか)や糖尿病、免疫不全などにより発症しやすくなる。
副腎皮質ホルモン剤の内外用も感染しやすくなる原因となる。 |
症状 |
青年男子の股の部分にできやすい。
時にわきの下、乳房下部、へその周囲にも発症する。
股に赤いブツブツができ、次第に周囲に広がり、弓状になる。
患部は堤防状に隆起すし、激しいかゆみをともなう。
肛門やお尻付近にまで広がることもあるが、陰嚢部にできることはまれである。 |
治療 |
一般的に抗真菌薬の外用、または内服を、皮膚の入れ替わりまでの期間、約3ヶ月ほど続ける。
市販の水虫薬もいんきんたむしに効く。 |
備考 |
何種類もあるカビの一種による感染で、感染部分によって呼び方が変わる。
足にできれば「水虫(足白癬)」、頭部にできれば「しらくも(頭部白癬)」となる。 |
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